今夏に福岡、佐賀、長崎、大分の北部九州4県などで全国高校総体(インターハイ)が開催される。大会の企画・運営にあたるのは、各県の「高校生活動推進委員」だ。多くの高校生アスリートにとって、最大の目標となるインターハイを支える立場として、着々と準備を進めている。

 福岡は県内各地から29人が集まり「広報準備」「総合開会式準備」など4チームに分かれて活動を行っている。委員長の小山華穂さん(筑紫丘高2年)は「いろんな方にインターハイを応援してもらえるような広報活動や、選手が集中して競技に臨めるように大会運営をサポートします」と説明した。

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■五輪のレジェンドとも〝共演〟

 昨年4月から活動を開始した。同10月には体操の五輪金メダリスト内村航平さんを招いて、博多駅前で開幕300日前カウントダウンイベントを実施した。内村さんのトークショーでは、推進委員が質問役に挑戦した。このほか福岡県内のマラソン大会でPR活動を行ったり、総合開会式の演出の一部を担当したりする。インスタグラムなどSNSを使った告知にも力を入れている。

 全体での打ち合わせは2カ月に1回程度。各校から生徒が集まるため「学校によって進行の流れが違ったりすることが大変」と小山さん。集合日以外にもオンラインで意見交換することもある。

 裏方としてインターハイを支える道を選んだことにはそれぞれ、熱い思いがある。副委員長で総合開会式準備チーム班長の増永宰門さん(中間高2年)はラグビー部との兼任で参加。1年時に福岡県高体連の活動で全国総体を現地取材したことがきっかけだった。増永さんは「大会を支える人、盛り上げる人の存在に感化された」と明かす。

 4日には福岡市・天神の西日本新聞社を訪れ、大会をPRした。7月末の開幕に向けた準備も本格化している。小山さんは「選手だけでなく、支えてくれる先生や保護者など、関わる全ての人が『携わってよかった』『感動できた』と心が動かされる大会をつくりあげていくことが目標」と意気込みを語った。(伊藤瀬里加)

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■インターハイの実施競技は

 ◆福岡県
 総合開会式 久留米アリーナ
 陸上 博多の森陸上競技場(福岡市)
 体操(体操、新体操) 北九州市立総合体育館
 バスケットボール 福岡市総合体育館など
 ハンドボール 久留米アリーナなど
 登山 英彦山山系(添田町)など
 自転車(トラック) 北九州メディアドーム

 ◆佐賀県
 水泳(競泳) SAGAアクア(佐賀市)
 バドミントン SAGAアリーナ(佐賀市)など
 レスリング 嬉野市中央体育館
 ボクシング SAGAアリーナ
 フェンシング SAGAアリーナ
 少林寺拳法 SAGAプラザ(佐賀市)

 ◆長崎県
 卓球 大村市体育文化センター
 ソフトテニス 長崎市総合運動公園
 ソフトボール 大村市総合運動公園
 ボート 本明川ボートコース(諫早市)
 弓道 島原復興アリーナ(島原市)
 ホッケー 川棚大崎自然公園交流広場(川棚町)など
 重量挙げ 小野体育館(諫早市)
 空手 佐世保市体育文化館
 アーチェリー 長崎市総合運動公園

 ◆大分県
 水泳(飛び込み) 別府市営青山プール
 水泳(水球) 大分商高(大分市)
 バレーボール ダイハツ九州アリーナ(中津市)など
 相撲 宇佐市総合運動場
 柔道 レゾナック武道スポーツセンター(大分市)
 剣道 レゾナック武道スポーツセンター
 テニス レゾナックテニスコート(大分市)など
 自転車(ロード) オートポリス(日田市)
 なぎなた レゾナック武道スポーツセンター
 カヌー 豊後高田市真玉B&G海洋センター

 ※サッカーは男子が福島、女子が北海道、ヨットは和歌山で開催。